スゴ本オフの常連さんのおおもりけいこさんに教えてらった「あの犬が好き」の続編の原作、「Hate that Cat」素晴らしかった。ていうか前回の「あの犬が好き」にめっちゃ驚いて「こんな奇跡的な本があるのか!」って記事やツイッターでの反応を記事に書いたんだけど、今回はもっと味わい深い、なんていうかジワジワくる感覚が最後のジャックの詩で爆発する感じだった。
Hate That Cat
もう、何言ってるのかわからないとは思いますがw
カバ―の裏のトコロに書いてある
This is the story of
Jack
words
sounds
silence
teacher
and cats
っていう紹介文がものすごく秀逸。ココで大事なのはsoundsとsilenceだよ。もちろん、ジャックの文章もいいけど。
前回はジャックが先生と一緒に色んな詩を読んでその反応をメモして積み重ねながら、「詩なんて女の子の書くもんだよ」っていうガキンチョらしく意気がってる冒頭の話からだんだんジャックが詩に惹かれていって大好きになった詩人に手紙を書いて会いに来てくれるって辺りにジャックが飼ってた犬が絡むっていう、今思えば(ていうかこの本に比べると)シンプルな構造だった。犬は大事な要素だけど、ソレがメインじゃなかった。
そしてこれは更に構造が複雑になってる。いままで出てこなかったジャックのお父さんとお母さんとお母さんのお兄さん、つまりおじさんまで絡んで、しかも「あの犬が好き」で出てきた詩人の息子まで出てきて、まさにエラいことになってる。
でも、やっぱりここでも主人公はネコじゃない。
まだ翻訳されてないし、今後も翻訳されないかもしれないけど、男の子の目覚めの物語から「男の子の愛情」っていうなんかこう表し難いモノをここまでシンプルに表現出来るのってスゴイわ。
障害に興味があるっていう人は是非読むとイイと思います。障害に興味っていう言い方もアレだとは思うけど。それ以上、書くとネタバレになっちゃうので。
しかし詩を単純に本にするんじゃなくて、誰かの反応を混ぜながら物語を作っていくって、ものすごく頭イイ感じがする。賢いというか味わい深くなる。もう何度も読み返してるけど、122ページと123ページの見開き、その次の124ページと125ページ、ここに来ると何度でも眼から水分が発生してしまうので、読む時はティッシュ万全でお願いします。大事なことなのでボールドで書いてみた。
ちなみにネコが喉を鳴らす音、日本語だとだいたい「ゴロゴロ」だけど、英語だと「Purr」なのね。なんかもう少し軽い感じの音感。
この本、英語苦手な人もスラスラ読める。だって文章が短くてわかりやすいから。それと表紙のイラストがとてもヨロシイです。ペーパーバック版は違うみたいだけど。
さぁ、もう一回読もうかな。何度読んでも飽きないし、発見があるっていうスゴ本です。オススメ。
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