ひょんなところから新潮社さんの人から届いたA3刷りの分厚いゲラを読んだのが今年の春先、だったかなぁ。それが遂に文庫本、しかも新潮社さんにはあり得ない持ち込み原稿の新人作家さんの胸キュン青春小説となって世にでることになりました。
悠木まどかは神かもしれない (新潮文庫)
ダインさんの書評にもあるように「小5の男子が気になる女の子と普通に話なんて出来ない!」っていう状態が自然に表現されてて、しかもその主人公の男子を取り巻く仲間も相当イタい、というかなんかこっちが恥ずかしくなるぐらいの物語なのだ。(ちなみにワタクシは女の子と話すのは大得意だったんですけどなにか)
そしてもう一度、読み返してみると主人公の一人称で語られているその文章も相当イタい。いや、もうなんかさ、赤面し過ぎるくらいにさ。あとダジャレのオンパレード。今日、読んだ「死語だらけの走れメロス」と同じ人が書いてるんじゃないかって思うくらいに。
その辺をよくよく冷静に考えてみると、これって、主人公のオダギリスとヒロインの悠木まどかの子供っぽいトコロと大人っぽいトコロのベクトルが交差する物語なのね。
恥ずかしい男子は一皮むけて大人、というか青年みたいになる。大人びて神というか女神のごとく存在していた悠木まどかは可愛らしい少女みたいな表情を見せる。よくよく考えるとその変わり映えの見事さを極々自然に表現している。最後の章を際立たせるためのダジャレ炸裂作戦だったのか!と思わざるをえなりかずき。
ということでこのカタルシスはアレですアレ。「リトル・ダンサー」、原題、Billie Elliot。(この動画、正式なトレイラーじゃないみたいだけど見つからなかったので)
どうもネタバレっぽい気もするけどしょうがない。ノージンジャー。
最後の章のスッキリした感じがこの映画のラストシーンのあのスッキリした感じにとても良く似てる。
オススメです。あと角田光代さんの解説がすごくイイです。イタイケな角田ジョシの気持ちがスゴい伝わってくる。角田光代ファンのひとも是非。
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