いやぁ、読書ってホントにイイもんですよねー。たまたま読んでなくて思いついたように手にとった2冊がもうすごいクオリティで生きててよかったなぁと思う秋の夜であります。
一冊は前に記事にしたダンコガイさんオススメの「アイの物語」。そう、未来の地球をAIに乗っ取られちゃう(というか積極的に人類が諦めちゃう)話。最終的な話に行き着くまでの経緯が短編的にSFになってるっていうなかなか無い名作。
そしてもう一冊がコレ。そう伊藤計劃さんの「ハーモニー」。
「虐殺器官」も凄まじいクオリティと発想のぶっ飛び感で凄かったけど、こっちもなかなかです。
で、たまたまこの二冊を続けて読んじゃった時に「なんかさ、こういう人類と対立する思想とか技術や発明などなどに対して『もうこれでいいじゃん、こっちにしようよ』的なオチの持って行き方って似てるなー」と感じちゃったわけです。
かたやAIに全面降伏っていうほどにはAI側が思ってないというか、もう勝負すら出来てない。そしてハーモニーのほうは医療分子システムを使った新たな脳神経処理で人類の新たな出発点を作るというとカッコイイが要は旧い人類を捨てる、諦める。
どっちも旧来の人間の誇りとか尊厳とかをどうとかいうよりも積極的に「新しいもの」に乗るというか道を譲る感じ。こういうのって今の打開策も展望も希望すら見えない日本の状況を映し出してる気がしてしょうがない。ひょっとしてエヴァとかもその流れ?なのかな。あんまり知らずに書いてますけどw
まぁ、そういう感傷的な心象も切り捨てられるべき年寄りの旧い感性なのかもしれない。
ともかく、コレ、小説としてとても面白かった。ストーリーの展開も登場人物も虐殺器官よりも気に入った。相変わらず出てくる海外の都市がチェチェンとか中東とか如何にも日本人の想像を絶する系のところに設定されているのが素晴らしい。
こういうのをアニメ化して欲しいなぁ。日本のコンテンツ力を見せつけられると思うんだけどなぁ。ヘンに2時間とかに収めないでこってりと映像化して欲しい。
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